なんだかもう、引用だけでもいい気がする宍道湖の夕景。
裾の歯のような刻みをつくって長く連なる山々の藍色とも黒ともつかぬ姿の背後から上空にかけて、くすんだ濃い紫の靄が幅広くたなびき、朦朧と霞む紫が更に中天に向かうあたりは薄く淡い朱やかすかな金色になり、それがまた仄かにも淡い緑色を経て、青空の青さに溶けこむ。
仄かに淡い夕暮れの色は五分ごとに変わって行く。すべすべした玉虫色絹布の色合いや陰影を思わせて色という色が不思議なほどに目まぐるしく移り変わる。
そんな感じに、『神々の国の首都』の記述を思い出しながら撮影。八雲が夕暮れを見たのはもうちょっと南東、嫁ヶ島の見える蕎麦屋だったようだけど。ともあれ朝の大根島と夕の宍道湖、ともに見たい景色が見られたので八割がた旅は成功。そんな気持ちで満足しつつ、まだまだ旅は終わらない。日も落ちてきたので、そろそろ松江城のライトアップへ。
続く。
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